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別れは必然

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翌日。
同じように大蛇丸は夕刻に目を覚ました。
昨日より目覚めがよい。いそいそと身支度を整えて隠れ家を後にする。
カブトも、今日は苦笑しながら見送ってくれた。

すでに気配はしている。
いつもの場所へ行くと、サクラは同じように切り株に座っていた。
近くまで行くと、すぐに振り向く。

「大蛇丸!」
その顔も昨日の緊張感あふれる顔ではなく、そことなく嬉しそうだ。
しかし、大蛇丸の顔は違った。


「・・・大蛇・・・丸?」
彼の顔には殺意と警戒が溢れ出している。
思わずサクラが怯えると、うしろからクナイが飛んできた。

「え!?」
サクラが驚きの声をあげたのと、大蛇丸がクナイを避けたのは同時だった。
「やっぱりあんたね、カカシ・・・。」
「カカシ先生!?」

木の陰からゆっくりとカカシが姿を表す。
「こんなところにいたのか、大蛇丸・・・。」
「ど、どうして!?」
「お前の様子がおかしいから、任務が終わってからつけてみたんだ。」
サクラの目が大きく見開かれる。

「何かあるんじゃないかとは思ってたが・・・。まさか、あんたがいるなんてな。」
大蛇丸はまったく表情を変えない。
「今すぐここで殺してやる!」
カカシが一気に向かってくる。
しかし、手にもっていたクナイは何者かによって弾かれてしまった。

「何!?」
「だから危険だといったんですよ、大蛇丸様。」
表れたのは、カブトだった。
カカシは舌打ちをする。
「あの時のガキか・・・。」
「この方のお相手は僕がするんでよろしいですか?」
「ええ・・・サクラは私が責任をもって片付けるから。」
「!」

サクラは大蛇丸のその言葉に大きな反応をみせる。
「っくしょう・・・逃げろ、サクラ!」
カカシはサクラの手をとろうとするが、カブトがその間にはいる。
「そうはさせません。あなたの相手は僕ですよ。」
「どこまでも邪魔しやがって・・・!!」


「さて、サクラ。」
遠くから、カカシとカブトの争う音が聞こえた。
大蛇丸はゆったりとした動きでサクラに向き合う。
そして怯えるサクラの額の中心に、人差し指をあてた。

「殺さないから安心して頂戴。ただし、記憶は消させてもらうわよ。」
「記憶・・・?」
「私と出会ってからの記憶よ。もちろんカカシもね。」
そこで、サクラの顔から怯えがふっと消えた。

その代わり、強い眼差しで大蛇丸を見ている。
怒りでも、悲しみでもない。
翡翠の目にあるのは、『決意』だった。

「私があなたのことを忘れても、あなたは私とのことを覚えてるわよね?」
「当然よ。」
対する大蛇丸の目にも、『決意』に似たものが映っていた。
強い視線がぶつかり合う。

「記憶なくしても、思い出しちゃうかもしれないわよ。私。」
「勝手になさい。」
ふふ、とサクラが微笑んだ。大蛇丸もその笑みを返す。

それから、ほんの少し、人差し指に力をこめる。
口の中で小さく呪文を唱えると、指の先が熱くなる。


たった、それだけの動作だった。


次の瞬間、サクラは大きな音を立てて横に倒れる。
時期に目を覚ますだろう。そのときには、記憶はなくなっている。

「いい?サクラ。」
もちろん、サクラは反応しないで、横たわっているままだ。
「あなたは、私を殺すのよ。」
サクラがゆっくりと目を開いた。その焦点は合っていない。
「強くなって、追いかけてきなさい。」

私は、待っているから。

「大蛇・・・丸・・・。」
サクラはか細い声で小さく鳴くように呟いた。
そして、再び目を閉じる。

「大蛇丸様・・・。」
振り向くと、そこにはカブトがいた。
大蛇丸はなんでもないように問い掛ける。
「終わったの?」
「はい。記憶も消しました。それより・・・。」

カブトの目は遠慮がちにサクラに移る。
「いいのですか?」
その問いには答えずに、大蛇丸はくるりと後ろを向いてしまった。
「サクラなら、大丈夫。」

必ず、私を殺しにくるから。

カブトは大蛇丸のその雰囲気に思わず息を呑む。
今話し掛けてはいけないと、直感的に感じる。
誰も何も語らない沈黙は、静かに木々へと吸い込まれていった。


後に。
森で倒れていたカカシとサクラは病院で目を覚ました。
先に目覚めたサクラは、しばらく誰とも口をきかなかったという。

病室から遠くの森を見つける彼女の目には、何か大きな決意が燃えていた。
再会の時は、まだしばらく後のこと。



初の大蛇サク。
こんなんでいいのかあああああああああ!?(叫)

いきなり失礼しました。
なんかすっごい中途半端な気が・・・。
全然切なくないよ。
っていうか、そもそもこれって大蛇サクなのか!?
大蛇&サクのほうがよかったのでは!?

いやいや。これが2人の愛の形なわけですよ。
そうとう歪んでますが。
「殺しに来なさい。」
っていうのがめっちゃイタチさんがサスケくんに言ったセリフっぽくていや・・・。
でも、2人にとっては愛なのです。

何はともあれ、読んでくれてありがとうございました。
感想なんざいただけたら泣いて喜びます。
いや、強制ではない(笑)


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