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白い香り
        1.光とそう遠くない過去のぬくもり
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「・・・・・・おはよう、先生」
「ん、おはよ、サクラ。」
暖かい日差しに目を開けると、いつもそこにある愛しい人の顔。
上半身を持ち上げると、軽くベッドが軋んだ音をたてた。
「今日も、先生のほうが早く起きたのね・・・。」
「まあ、おれ朝に強いから」
笑いながらそういう愛しい人。先生は、いつものように覆面もしてないし、額当てもしてない。
そのままの、素の表情。
 
「最近は、よく寝られるんだ。」
「うそ。」
遮るように言うサクラの声には、恥じらいや驚きのようなものはまったくない。
あるのは探るような、怒ったような表情で見つめる緑の瞳。
カカシはただただ苦笑する。
「嘘じゃないって。」
「本当のこと、いってよ。」
「・・・・・・。」
その問いには答えずに、サクラと同じように上半身を起こすと、突然サクラが胸にとびこんできた。
「また、眠れなかったの・・・?」
悲しそうに震える声からもだけれど、胸元をやわらかく滑っていく温かい水からも、サクラが泣いてい
ることはわかった。
 
先生に気づかれないように気を配ったのに、先生にはわたしが泣いているとわかったらしくて、大きい
くて熱い手で頭をそっと撫でてから、ぎゅっとわたしの背中を抱いてくれた。
「昨日よりも、寝られたよ。サクラがずっとくっついていてくれたから。」
「本当?」
嘘じゃない?
「本当。ありがとうな、サクラ。」
ぽんぽん、と、今度は背中を叩く。わたしはばっと先生からはなれて頬を膨らませる。
「子供扱いしないでって、いつもいってるでしょ!!」
「あーごめんごめん。」
悪かったという先生に背を向けて、私はただただ怒るだけ。
でもね、あんまりにも先生がぺこぺこ必死で謝ってるから・・・
「許してあげるけど、約束ね。」
「?何?」
「二度と、嘘ついちゃやだよ?」
 
サクラ、こいつときたら本当に本当に・・・
「きゃ!?」
正面からいきなり抱きつくと、サクラは顔を真っ赤にして声を出した。
「本当に、かわいいなぁ、サクラは!」
「それがこども扱いなんだってばぁ!!」
ジタバタ講義するサクラ。でも、そんなことしても無駄ね。
ゆっくりとサクラの耳元に口を近づける。
「サクラ、大好きだよ。」
 
ぼんっと顔が赤くなるのが自分でも感じられた。先生はくっくっとそんなわたしをみて笑っている。
「もう!からかってるでよ!?」
「はははは!」
お腹を抑えて笑う先生をじっと横で睨む。
「でもね、本当に嘘ついちゃだめよ?わたしには先生が本当のこといってるかどうかわかるんだから。」
まだ笑いながらも先生は涙をぬぐってわたしのほうを向く。
「本当?じゃあさっきおれがいった、『大好き』は、嘘でしょうか、本当でしょうか?」
わたしはその答えに考える必要はなかった。でも、先生があんなにからかってきたから、ちょっとじらす。
黙って考え込んでるふりをすると、先生はだんだん不安になったような情けないような表情になってきた。
「まあ、今回は特別に、本当ってことにしてあげてもいいかな。」
先生はぱあっと明るい顔になる。
こういう先生の顔みると、わたしはすごく幸せになれる。
「わたしも、先生が大好きよ。」
 
しばらくいちゃついてから(と、わたしは思うんだけど・・・)わたしは身支度を整える。
みんなにはまだわたし達の関係は内緒なの。
だから、集合時間に一緒にくるなんてあやしまれちゃいそうなので、わたしはちょっと遠回りして、家
の方角から集合場所にむかうことにしてる。
「それじゃあ、先生、先に行ってきます。」
手を振りながらそういうと、先生もにっこりと振り返してくれる。
「うん、いってらっしゃい。」
ベッドに腰掛けたままそういう先生をみながら、わたしはドアをしめた。
 

ばたん。


第1話、終了。
くぇーーー!!ラブラブは書いていて疲れる!!ほぐあーーー!!
このお話は第1話、とあるように続きものです。
しかし、ここからは読まないほうがいいと思われます。特に!
「ラブラブ大好きvv」
という方は、この一話でおやめくだされ。
2話目からは5年後のお話へジャンプです。設定では17歳のサクラちゃんと●●歳のカカシ先生です。
まあ計算すればわかるのですが、モザイク(笑)
 

ねくすと→『同窓会にての会話と彼女の話』

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