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石の話
         サスケ君のみつけた石像−2
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「サスケく〜ん、朝よ、起きて〜!」

なにやら甘ったるい声におれは大きく反応した。
とっさに枕の下に隠してあるクナイを構える。
「誰だ!?」

上半身を素早く持ち上げると、クナイの先にいたのは、キョトンとしている少女。
サクラだった。

彼女を見た瞬間、体の力が一気にぬける。脱力ってやつだ。
・・・忘れてた。

時間は昨日にさかのぼる。
部屋にあった石像が人間になったあの時だ。

「な、な!?」
突然人間になった少女に、おれは動揺を隠せない。
バランスを崩して椅子から落ちそうになった。
「あぶない!!」

高い声で少女は叫ぶと、おれの体を細い腕で支えた。
温かい。
それは硬質な石ではない。生身の人間だった。

彼女の腕をはらい、大きく跳んでおれは少女との距離を離した。
「おまえ、何者だ!?」

「え、わたし?」
少女は自分を指さすと、ほんのり照れたような顔になる。
「わたし、サクラっていうの。あなたは?」
「おれはサスケだ・・・って、違う!そうじゃない!!」

思わず自己紹介してしまった。というのも、この女のせいだ。
まったく殺気がない。それどころか、隙だらけだ。
怪しい。怪しすぎる。
なんなんだ?この女は・・・

「あの・・・サスケくん?」
悶々と考えているおれに、少女はためらいがちに声をかけてきた。
はっとおれは現実世界に戻される。
「お前、なんの目的でココへ来た!?」
「目的・・・?」

少女はう〜んと首をひねる。それからなんだかこの世の終わりみたいな顔をする。
「・・・わかんない。」
「は?」
「わたし、どうしてココにいるの?」

救いをもとめるように見られて、おれはずっこけそうになる。
なんだかよくわからないが、とにかく油断は禁物だ。
キッと少女に向き直る。

「お前。」
「わたしサクラだよ。」
 
ずるっ、とずっこけそうになる。
折角の緊迫した空気を壊さないで欲しい・・・。
 
「まあいい・・・じゃあサクラ。」
「わーい、初めて名前呼んでくれたわね!」
 
また話を遮る!
・・・という怒りも、無邪気に笑うその顔にかき消されてしまった。
 
「あ、ごめんごめん。で、何言おうとしてたの?」
「・・・・・・忘れた。」
なんだか、何を話しても無駄な気分になってきた。

みたところ、殺気はない。
もし下手な行動をすればどうにかすればいい。
・・・どれほどこの女ができるのかは、しらないが・・・。
 
「サスケくん、眠いからもう寝ない?」
サクラは目をこすりながらふにゃふにゃあくびをする。
「まあ・・・いいか。」

サクラは眠そうにボーッとおれの顔を見る。
このままではらちがあかないし、いいかげん、おれも眠い。

「来い。布団はこっちだ。」
長い廊下を歩くのは、サクラがいるからか、おれを孤独の気分にはしなかった。
サクラは、信用ならならない部外者なのに。

「ココだ・・・って、おい!」
部屋につくと、サクラはおれの腕の間をぬうように通って布団に倒れこんだ。
「やわらかーい・・・。」
「おいサクラ!そこはおれの布団だ!」
「・・・・・・。」
「サクラ?」
「・・・・・・。」
「・・・寝たのか。」

仕方なく、おれは厚い座布団を2つ、ひっぱりだしてならべ、その上に寝転んだ。
布団を敷くほど元気ではない。もう寝たいんだ。

こんなにもサクラの思い通りに動いてしまっている。

おれはいつかくの一に殺されちまうな・・・。

薄れていく意識でそう考えながら、おれは眠気の渦へと落ちていった。
そして今朝・・・。


「サスケくん?」
またしても、現実世界へと戻される。
おれは頭をかくと、サクラにむけていたクナイをさげる。
が、サクラはクナイを自分の方に向けさせてまじまじと見た。

「昨日も思ったけど、これ何?かっこいいー!」
「あんまり触るな。手を切るぞ。」
「大丈夫だもん。」
ぷう、と頬を膨らませると、サクラは思い出したような顔になる。

「そうそう、朝ゴハン作ったんだ!早く来て!」
「騒ぐな、朝っぱらから。」

嬉しそうにおれの手を引いて座らせると、テーブルには和食料理が並べられていた。
焼き魚にごはん、大根と油揚げの味噌汁に芋の煮っ転がし。
沢庵と大根卸しに、醤油も用意してあった。

「ささ、食べて食べて!」
「・・・じゃあいただきます。」
箸で焼き魚をつついて口に入れる。なかなかの味だった。

「どう?」
「まあまあ、いける。」
「わーい!」
万歳をして素直なほど喜ぶサクラに、おれにも笑みが浮かぶ。
こんなに穏やかな食事は、何年ぶりだろう。

「サスケくんはいつ頃家を出るの?」
「もうすぐだな。」
時計を見ながら答えると、サクラは寂しそうにふーん・・・と呟く。

それがとても居たたまれなくて、おれは頼まれてもいないのに、
「・・・出きるだけ、早く帰ってくるから。」
「本当!?」
サクラの表情がいっきに明るくなる。
こんな風にされると、言ってよかったと思った。

「それじゃ、出かけるか。」
特に荷物はいらないので、身軽な格好で玄関へ行く。
するとサクラもおれの後をついてきた。
 
「戸締りも、ちゃんとしておくから!」
「ああ、頼む。」
「それじゃあ、いってらっしゃい!」
 
ちゅっ

温かい唇の感覚が、おれの頬にあたった。
・・・サクラに、頬に口付けされたらしい・・・。

顔を紅くしてサクラを見ると、笑顔で手を振っている。
どうやら、挨拶代わりくらいにしか思っていないらしい。
「いってらっしゃーい!」

一本とられた・・・。
そう思いながら、おれは振り向いてサクラに手を振りながら、家を出た。



なんでだー!
って叫びたくなるほど遅くなりました・・・。
石の話を公開したのは、HP開設と同時だったと思います。
詳しいことは覚えてませんが(おい)、記念すべきHP公開日は、9月の初め頃。

そして『石の話・サスケ−2』公開日。
11月の22日って、おいー!!
2ヵ月以上もためてました・・・ごめんなさいぃ!!

本当はすぐにできていたのですが。
『石の話・カカシ&ナルト』の2つと同時に公開したいと思って公開しませんでした。

そして、忘れてしまっていた・・・!!
できるだけ早く石の話はUPしたいと思いますので!!
お許しを〜!

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