☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 石の話 サスケ君のみつけた石像−2 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「サスケく〜ん、朝よ、起きて〜!」 なにやら甘ったるい声におれは大きく反応した。 とっさに枕の下に隠してあるクナイを構える。 「誰だ!?」 上半身を素早く持ち上げると、クナイの先にいたのは、キョトンとしている少女。 サクラだった。 彼女を見た瞬間、体の力が一気にぬける。脱力ってやつだ。 ・・・忘れてた。 時間は昨日にさかのぼる。 部屋にあった石像が人間になったあの時だ。 「な、な!?」 突然人間になった少女に、おれは動揺を隠せない。 バランスを崩して椅子から落ちそうになった。 「あぶない!!」 高い声で少女は叫ぶと、おれの体を細い腕で支えた。 温かい。 それは硬質な石ではない。生身の人間だった。 彼女の腕をはらい、大きく跳んでおれは少女との距離を離した。 「おまえ、何者だ!?」 「え、わたし?」 少女は自分を指さすと、ほんのり照れたような顔になる。 「わたし、サクラっていうの。あなたは?」 「おれはサスケだ・・・って、違う!そうじゃない!!」 思わず自己紹介してしまった。というのも、この女のせいだ。 まったく殺気がない。それどころか、隙だらけだ。 怪しい。怪しすぎる。 なんなんだ?この女は・・・ 「あの・・・サスケくん?」 悶々と考えているおれに、少女はためらいがちに声をかけてきた。 はっとおれは現実世界に戻される。 「お前、なんの目的でココへ来た!?」 「目的・・・?」 少女はう〜んと首をひねる。それからなんだかこの世の終わりみたいな顔をする。 「・・・わかんない。」 「は?」 「わたし、どうしてココにいるの?」 救いをもとめるように見られて、おれはずっこけそうになる。 なんだかよくわからないが、とにかく油断は禁物だ。 キッと少女に向き直る。 「お前。」 「わたしサクラだよ。」 ずるっ、とずっこけそうになる。 折角の緊迫した空気を壊さないで欲しい・・・。 「まあいい・・・じゃあサクラ。」 「わーい、初めて名前呼んでくれたわね!」 また話を遮る! ・・・という怒りも、無邪気に笑うその顔にかき消されてしまった。 「あ、ごめんごめん。で、何言おうとしてたの?」 「・・・・・・忘れた。」 なんだか、何を話しても無駄な気分になってきた。 みたところ、殺気はない。 もし下手な行動をすればどうにかすればいい。 ・・・どれほどこの女ができるのかは、しらないが・・・。 「サスケくん、眠いからもう寝ない?」 サクラは目をこすりながらふにゃふにゃあくびをする。 「まあ・・・いいか。」 サクラは眠そうにボーッとおれの顔を見る。 このままではらちがあかないし、いいかげん、おれも眠い。 「来い。布団はこっちだ。」 長い廊下を歩くのは、サクラがいるからか、おれを孤独の気分にはしなかった。 サクラは、信用ならならない部外者なのに。 「ココだ・・・って、おい!」 部屋につくと、サクラはおれの腕の間をぬうように通って布団に倒れこんだ。 「やわらかーい・・・。」 「おいサクラ!そこはおれの布団だ!」 「・・・・・・。」 「サクラ?」 「・・・・・・。」 「・・・寝たのか。」 仕方なく、おれは厚い座布団を2つ、ひっぱりだしてならべ、その上に寝転んだ。 布団を敷くほど元気ではない。もう寝たいんだ。 こんなにもサクラの思い通りに動いてしまっている。 おれはいつかくの一に殺されちまうな・・・。 薄れていく意識でそう考えながら、おれは眠気の渦へと落ちていった。 そして今朝・・・。 「サスケくん?」 またしても、現実世界へと戻される。 おれは頭をかくと、サクラにむけていたクナイをさげる。 が、サクラはクナイを自分の方に向けさせてまじまじと見た。 「昨日も思ったけど、これ何?かっこいいー!」 「あんまり触るな。手を切るぞ。」 「大丈夫だもん。」 ぷう、と頬を膨らませると、サクラは思い出したような顔になる。 「そうそう、朝ゴハン作ったんだ!早く来て!」 「騒ぐな、朝っぱらから。」 嬉しそうにおれの手を引いて座らせると、テーブルには和食料理が並べられていた。 焼き魚にごはん、大根と油揚げの味噌汁に芋の煮っ転がし。 沢庵と大根卸しに、醤油も用意してあった。 「ささ、食べて食べて!」 「・・・じゃあいただきます。」 箸で焼き魚をつついて口に入れる。なかなかの味だった。 「どう?」 「まあまあ、いける。」 「わーい!」 万歳をして素直なほど喜ぶサクラに、おれにも笑みが浮かぶ。 こんなに穏やかな食事は、何年ぶりだろう。 「サスケくんはいつ頃家を出るの?」 「もうすぐだな。」 時計を見ながら答えると、サクラは寂しそうにふーん・・・と呟く。 それがとても居たたまれなくて、おれは頼まれてもいないのに、 「・・・出きるだけ、早く帰ってくるから。」 「本当!?」 サクラの表情がいっきに明るくなる。 こんな風にされると、言ってよかったと思った。 「それじゃ、出かけるか。」 特に荷物はいらないので、身軽な格好で玄関へ行く。 するとサクラもおれの後をついてきた。 「戸締りも、ちゃんとしておくから!」 「ああ、頼む。」 「それじゃあ、いってらっしゃい!」 ちゅっ 温かい唇の感覚が、おれの頬にあたった。 ・・・サクラに、頬に口付けされたらしい・・・。 顔を紅くしてサクラを見ると、笑顔で手を振っている。 どうやら、挨拶代わりくらいにしか思っていないらしい。 「いってらっしゃーい!」 一本とられた・・・。 そう思いながら、おれは振り向いてサクラに手を振りながら、家を出た。
なんでだー! って叫びたくなるほど遅くなりました・・・。 石の話を公開したのは、HP開設と同時だったと思います。 詳しいことは覚えてませんが(おい)、記念すべきHP公開日は、9月の初め頃。 そして『石の話・サスケ−2』公開日。 11月の22日って、おいー!! 2ヵ月以上もためてました・・・ごめんなさいぃ!! 本当はすぐにできていたのですが。 『石の話・カカシ&ナルト』の2つと同時に公開したいと思って公開しませんでした。 そして、忘れてしまっていた・・・!! できるだけ早く石の話はUPしたいと思いますので!! お許しを〜!