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幻想天華 10

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しんしんと降りつづける雪。
それでも2人は気にするわけでもなく会話をした。
 
 
「今日、任務があったんだって?」
「正確には、なかったんですけどね。火影様から特別派遣の令が出て。」
「それでサスケと一緒に行ったんだ。」
「さすが先生。情報が早いですね。」
 
サクラの言葉に、嫌味のようなものは一切ない。
それでも何かがひっかかる。
少し考えてから、カカシは頭をかいた。
 
「サクラ、敬語やめて。」
「でも一応カカシ先生は先生ですから。」
「一応かい・・・。」
「はいはい。止めますよ。」
 
 
サクラはくすくすと笑って、カカシと向き直る。
 
「大分、うまくなったのよ。」
「・・・何が?」
「わかってるくせに。といういか、そのことが聞きたくて来たんでしょ。」
「さすがサクラ。情報が早い。」
「顔にかいてあるわよ。」
 
カカシは笑う。
「話がはやいな。さっき、サスケに会ったよ。」
 
一瞬、サクラの表情に驚きが走る。
「・・・そっか。サスケくん、かわったと思う?」
「全然。」
「じゃ、私はかわったと思う?」
「・・・難しい質問だなあ。」
 
 
カカシは肩をすくめた。
「それより、『あの』幻術はどうなったわけ?うまくなったとかいってたけど。」
 
 
サクラは微笑んだ。どこか大人びたが、あどけない笑顔。
「術をかけられた人が、『一番美しい』と思う光景を夢にみせられるの。」
「・・・なるほど。」
 
 
このなるほどには、2つ意味がある。
確かに成長したんだな、という意味。
それから、やっぱりまだあの術を使いつづけているんだな、という意味。
 
 
「にしても、元気そうじゃないか。」
「そりゃあね。体力つけたもん。集団にいっぺんにかけても、そうそう疲れたりしないわよ。」
 
サクラはそこから子悪魔のような表情をして少し小声になる。
「ついでに、生きている人間にはかけられないように工夫しといたわ。」
「・・・どうもすいませんねえ。」
「どういたしまして。」
 
 
サクラはころころと笑った。
「サクラさあ、後悔とかしてる?」
「後悔?なんの?」
「だからさ。上忍にも暗部にもならないで、こういう『ボランティア』してることについて。」
「してるわけないじゃない。先生は?」
 
カカシは目をまるくする。
「おれ?」
「そうよ。この術をこれからも使っていいですか?って先生に聞いたでしょ。」
「そういえば、あったなあ。」
 
とぼけたような声を出しながらも、あの時のことはよく覚えている。
実際、さっきまで考えていたのだから。
 
「そしたら『好きにしろ。』っていったじゃない。」
「ああ。それがどうかしたか?」
 
 
「後悔とか、してる?」
「まったく。」
 
 
ほとんど即答。
サクラはあきれたように笑いながら、「ならいいじゃない。」と言った。
たしかに、そうなのかもしれない。
 
「これからも続けていくんだ?」
「もちろん。」
 
いいかげんに話しすぎたらしい。
体が冷えたサクラは、小さくくしゃみをした。
カカシはそれに気がつくと、ポケットに片手をいれてきびすをかえす。
 
「寒くなったし、この辺で帰るよ。」
「え!?久しぶりなんだから、家にあがってよ。もう少し話しましょ。」
「悪いけど、そんなに暇じゃないんだよ。おれ。」
「まあ。」
 
サクラは頬を膨らませて、怒った顔をする。
しかしすぐに微笑むと、手をふった。
 
「じゃあ、またね。先生。」
「ああ。またな。」
 


会話でおわるのって、びっみょ〜な感じですね(汗)
しかしやっと10になりました。
今回は短く区切るのすら面倒なのでちょっと長めでした。
もうちょっと続く。


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