☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ スペシャル・スリーマンセル!? ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「さっそくだけど、自己紹介してもらおうかな。」 爽やかな風の吹く、暖かな春の午後。 そこで担当である上忍は、3人の顔を見渡しながら口をひらいた。 「おれの名前ははたけカカシ。好き嫌いをおまえ達に教えるつもりはない。よろしく。」 あまりにおおざっぱ過ぎる自己紹介に、3人は唖然とする。 しかし上忍・・・カカシ自身は、特に何も思っていないようだ。 「んじゃ、はじから。」 そういってカカシは端にいる少年に目を移す。 「名はうちはサスケ。夢はないが・・・野望はある。」 黒い髪でツンツンした感じの少年だ。 カカシは内心、扱いにくそうな奴だと頭をかいた。 「じゃあ次。」 今度は真ん中にいる少女をみる。 少女ははっとすると、慌てたように自己紹介をした。 「私は春野サクラです。みんなについていけるように、がんばります。」 こちらは桃色の髪をした、かわいらしい少女だ。 今時の女の子、という雰囲気をしている。 「最後・・・。」 カカシは目を移してから思わずビクッとする。 最後の人物はなぜか黒いマントで体を隠し、紅い写輪眼をもっている。 そして他の2人とかあきらかに背丈からして違う・・・青年だった。 「・・・うちはイタチ・・・・・・。」 カカシよりも簡単に一言だけ言うと、イタチはそこで押し黙ってしまう。 「・・・・。」 「・・・・。」 「・・・・いやいや、ちょっと待て!!!」 しばらく続いた沈黙をまっさきに破ったのは、同じうちはの姓をもつ少年、サスケだった。 サスケは立ち上がるとイタチに指を突きつける。 「何でお前がここにいるんだ!!!そもそもお前、下忍じゃないだろーが!」 「何のことかな。」 サスケの激しいつっこみをイタチはさらりと流す。 こういうところは、さすが兄なだけあるといえよう。 「何が目的なんだ!!お前がここにいたんじゃストーリーが成り立たないだろう!帰れ!!」 「月読!!今から72時間、お前は筋肉質な男20人に追いかけられる!!」 「・・・ぎゃああああああああああ!!」 サスケは突然叫びをあげると、そのままばたんと倒れた。 「むむ・・・さすがはうちは一族の天才!!」 カカシも冷や汗をかきながら感心する。 「さて。」 静かな動作でくるりとイタチがカカシに向き直る。 「これからよろしくお願いしますよ。カカシさん。」 「え。」 「くっ・・・!誰が認めるかあ・・・!!」 どうにかまだ生きていたサスケは這いずりながらカカシを睨む。 「いやーはっはっはっ。」 笑いながらカカシは5秒ほど考える。 それからはっはっは、とまた声をあげて笑った。 「なーんかめんどくさいし、これからもよろしく!諸君!!」 「なにいいいいいいいい!?」 カカシはそれだけいうと、サスケの声を無視してどろんと消える。 もはや言い逃げだ。 「えっ・・・と。」 いままで黙っていたサクラが、遠慮がちにサスケに声をかける。 「一緒に帰らない?サスケくん。」 「・・・・くっ・・・断る。」 まだ体力が回復していないサスケだが、照れくさそうに横をむいてしまう。 実際照れているのだが。 「じゃあ、イタチさん。一緒に帰りません?」 「もちろんだ。」 「なんだとおおおおおおおお!?」 がばっとサスケが立ち上がる。 「待て!!やっぱりおれも一緒に帰る!」 「お前は一度断っただろうが。一人で帰れ!!」 「いいじゃないですか。3人で帰りましょう。」 さっそく喧嘩をはじめた2人に、サクラはにっこりと微笑む。 2人は一瞬うっ・・・と立ち止まると、大人しくなった。 「2人とも、これからよろしくね。」 サクラは極上のこぼれるような笑みを2人に向ける。 こうなっては何もいえない。 2人はサクラを真ん中に、案外楽しそうに帰っていった。 「・・・どうしたもんかね・・・。」 こっそりと気配を消して隠れていたカカシはため息をついた。 そして頭を抱える。 「すごい班になっちゃったなあ・・・。」 それから、日々は実にめまぐるしく過ぎていった。 サスケが何か言うと、イタチが言い返す。 すぐに喧嘩になる2人を、サクラが笑顔で止める。 イタチが何かすると、サスケがやり返す。 それをまたしてもサクラが微笑んで止める。 2人はサクラを意識しているのに、サクラは天然なのかまったく気づいていない。 サクラがどちらにつくこともないので、喧嘩は終わらない。 そしてまた繰り返し。 どこか奇妙な三角関係の中で唯一関係ないカカシは、常にそのことに悩まされていた。 そんなある日。 「じゃあ、これで任務は終わりね。」 今日は行方不明になった猫を探す簡単な任務だった。 ところがその途中で、サクラが転んでしまった。 ひざをすりむいたのだが、思いのほか血が出ている。 とりあえず応急処置はしたものの、カカシは心配だった。 サクラは他の2人ほどタフではないのだ。 「サクラ、大丈夫か?」 座っているサクラにカカシは声をかける。 サクラは弱々しく微笑んだ。 「うん。ちょっとすりむいただけだもん。大丈夫・・・でも、私ったらドジよね・・・。」 そういうと、サクラの瞳からぽろぽろと涙が零れ出した。 カカシはもちろん、黙って様子を見ていたイタチとサスケも驚いてしまう。 「私、任務でいいところなくて・・・それなのに足ひっぱっちゃって・・・。」 サクラはすすり泣きながら小声で本音を語る。 カカシは痛々しい思いでサクラを見つめた。 「才能ないのよね・・・私。」 イタチとサスケはそっとサクラの手を握った。 「大丈夫だ。」 「安心しろ。」 「「おれが守ってやるから・・・。」」 「・・・・。」 サクラはキョトンとして2人を交互に見つめる。 同じタイミングで言葉を発した2人は、ゆっくりと顔を見合わせた。 カカシはそっと頭に手をやる。 「貴様・・・。」 「まねするんじゃねえよ・・・・。」 「サクラを幸せにしてやるのは・・・。」 「おれだ・・・!」 ガキインっとクナイがぶつかる音が響く。 それからすぐにお互い手裏剣をなげあい、お互いによける。 サクラは争う2人に気づかずに、カカシに向き直った。 「私、がんばって強くなるわね、先生!!」 「ああ・・・おれもがんばるよ。」 カカシは遠い目で3人を1人1人見つめる。 とりあえず、まだまだサクラを巡った騒動は終わりそうもない様子。
YUKINA様リクエストのイタサクサス!! なんというすばらしいリク!!なのにこれは・・・。 あくまでもカカシ先生は保護者です。 この後サクラちゃんをかっぱらってしまうようなことは一切ございません!! そんなことしたらうちは兄弟が力を合わせて襲ってくるでしょう。怖っ。 しかしそうしなくても、このままではカカシ先生、精神的過労で倒れそうですね。 それもまた楽しそうな・・・(え) そういえばこのタイトル。 スリーマンセル・・・つまり3人1組!? すごく意味深な!!(考えすぎ) では駄文で申し訳ないですが、YUKINA様に捧げます。