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忍びの芽を咲かせましょう

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「はあ・・・。」
サクラはもう何十回目かのため息をついた。
 
まだ日は暮れていないが、空は薄くオレンジに染まり始めている。
歩きながら道にできている、自分の長い影を見つめる。
今日の任務でも、結局自分はいいところがなかった。
 

サスケくんはいつもと同じでクールに任務をこなしていた。
ナルトはぎゃーぎゃーうるさかったが、少なくとも自分よりは役に立っている。
カカシ先生にいたっては2人ばかりに注目をして私なんてまるで眼中にないみたい。

両手で抱えている本に力がこもる。
アカデミーの頃は勉強ができればいいと思っていた。
知識さえあれば大抵のことはそれなりに乗り切れると思っていた。

そしてそれは、とんだ勘違いだった。

ひどく自分が滑稽に思える。
あの2人に追いつくことはおろか、自分は一生下忍のままでいそうな感じさえする。
 
 
「はああ・・・・。」
「ちょっと。」
ひときは大きなため息をつくと、突然声をかけられた。
サクラは慌てて辺りを見回すが、誰もいない上に気配もしなかった。

「・・・気のせいか。」
「気のせいじゃないわよ。」
いきおい良く後ろを向くと、巨大な乳がまず目に入った。
「!?」
「どこみてるの。」

はっとして見上げると、今度こそ声の人物の顔を見つけることが出来た。
金髪の髪を2つに束ねて、腕組をしながら自分を見下ろしている。
 
「あ、え・・・っと。」
「悪いんだけどね、この辺りで黒い髪の女の人、見なかった?」
どうやら人探しらしい。


サクラは少し緊張をほぐして考えてみるが、それらしい人物は思い当たらなかった。
「豚を連れてるんだけど。」
「さあ・・・見てませんけど。」
「そうか・・・ありがとうね。」
優しく微笑んでから「まったくシズネめ」と女性は少し髪をかきあげる。

「それじゃあ、私は・・・。」
「あ、ちょっと。」
小さく会釈をしながら通り過ぎようとすると女性はそれを引きとめた。

「若い娘が何度もため息なんてつくんじゃないわよ。」
「え?」
歩みを止める。
突然のことで一瞬なんのことかわからなかった。

「何?悩みでもあるの?」
「えっと・・まあ・・・。」
少し言葉を濁す。
いくらなんでも初対面の人間に悩みを話すつもりはなかった。
が、女性は怖いほどにっこりと微笑んでいった。


「強くなりたいんだろ?」
「!!」
女性はクスクスと余裕の表情で笑う。
サクラはただただオロオロするばかりだ。

「ど、どうして・・・。」
「見ればわかるよ。あんた、私の若い頃にそっくりだもの。」
すると今度は女性の方がきびすを返す。

「明日、午後の12時にアカデミーの前で待ってるわ。」
「え・・・?」

女性は顔だけ振り向くとサクラにウインクをした。
「修行、つけてあげるわよ。」


翌日の午後12時丁度、サクラは額当てと忍服でアカデミーの前へと来た。
懐かしいアカデミーの校舎。
その前に、昨日の女性は微笑んで立っていた。

「あんたなら、きっと来ると思ったよ。」
「・・・本当に、修行つけてくれるんですよね?」
サクラは渋ったような口調で念を押す。
女性は明るくカラカラと笑った。
「よしよし!やる気は十分みたいね!おいで。アカデミーの屋上で修行だよ。」
「屋上・・・?」

女性が歩くので、サクラはその後をぽてぽてと追いかける。
長い階段を上っていると、女性がこちらを振り向いた。
「そういえば、名前まだ聞いてなかったね。」
「え?ああ・・・春野です。春野サクラ。」
「サクラか。いい名前じゃない。」

素直にそう褒められて、サクラの頬はすこし熱くなる。
「ありがとうございます・・・。あなたの名前は?」
「私?私は・・・ツナデ。」
「ツナデ?」
サクラは首をかしげた。
なんだかどこかで聞いたことあるような気が・・・。

しかし、それを遮るようにツナデは、
「ついたよ。」
と、扉を開け放った。


どんと大きくなった青い空。
遠くからぐんぐんやってくる真っ白な入道雲。
時折小鳥達のさえずりが聞こえてきた。

「ここで、なんの修行をするんですか?」
「うん、それはね・・・。」
思わせぶりなツナデの言い方に、サクラは身を乗り出して聞こうとする。
しかし、ツナデはにぱっと笑って
「準備体操してから、教えてあげる。」
といい、さらにサクラをじらした。

簡単に体を動かすと、サクラはたまりきらないようにツナデに聞尋ねる。
「で、何をするんです?」
「んっふっふ・・・。」
目を輝かせるサクラに、ツナデは自信ありそうに笑う。
そして人差し指をビシッとさしてこういった。

「日向ぼっこよん!」

一瞬の、間。

「はぁ?」
サクラはわけがわからないという声を出し、眉をひそめた。


それから、数十分後。


「あったかいわねぇ・・・。」
ツナデの間延びした声がのんびりと聞こえてきた。
「そ、そうですね・・・。」
横にいるサクラは、なぜか冷や汗をダラダラかきながら答える。

ぽかぽかと日が体中にあたっていた。
そう。2人は日向ぼっこをしているのだ。

・・・ほそいほそい電柱の上で。

「何よ、サクラ。もう集中力きれちゃった?」
「そんなこと・・・っきゃああああああ!!!」
片しで立っているサクラはバランスをくずして一気に落ちそうになる。
だが、どうにか腕を振って元に戻った。

「はあ・・・はあ・・・。」
「うーん、それじゃ、休憩しましょうか?」
「まだまだぁ!!」

負けず嫌いねぇ・・・。
ツナデはくすくす笑う。
頭の中に、ある男の顔が浮かんだ。

自来也・・・あんたの気持ちわかったかも。
落ちこぼれだったあんたが落ちこぼれの子に修行つけてやってる理由。
大蛇丸は『ほっとけないから』っていってたけど、それ、多分正解でしょ。

それは、才能のある子達の華を咲かせたいから。
最高の木の葉の忍びになれる彼らの才能を捨てたくないから。
ほうっておけないのよね。

「・・・サクラ。あなた、いいくの一になるわよ。」

わたくし、5代目火影のツナデですが・・・。

あなたのために、しばらくは『師匠』になっててあげるわよ。



ツナサク同盟様に捧げました。
何度読み返しても、やっぱり『ツナ&サク』ですね・・・。
まあ、それもよし!!(は?)

どうやら女×サクラをかくと、友情とか師弟関係って感じになります。
それはそれでいいんだよ!(自らを元気付ける奴)

ツナサク同盟様。こんな駄文を受け取って下さって、ありがとうございました。

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