遊園地


 


 
『遊園地?』
『そうよ。知らない?すごく楽しいところなんだから。』
『うーん・・・。聞いたことないですね。』
『そっか。じゃあ、こんど2人で行こう!』
『2人で?』
『うん!私が案内してあげるからさ!!・・・・・いや?』
『まさか。すごく楽しみですよ。』
『本当!?』
『はい。』
『じゃあ、約束ね!』
『ええ。約束・・・。』






「嘘吐き。」
サクラは頬杖をつきながら呟いた。
「何が約束よ。死んじゃったら行けるわけないでしょ。」

時刻は大体新しい日にちを刻んだ頃。
サクラはタズナさんの家を抜け出して、1人でここへ来たのだった。
そう、白とザブザの墓へと。


「私、あした出発するわよ。」
もちろん返事はかえってこない。
どこか肌寒い風が一陣、サクラを通り抜けるだけ。

「もうお墓参りには来ないからね。忙しいから。」
サクラは冷たくそういうと立ちあがった。

微かだけど気配を感じる。
多分、サスケくんかナルトがサクラがいない事に気がついたのだろう。
こっちへくる。
急いで戻らなければ。ここに来ていたことを知られたくはない。


「それじゃ。」
軽く手をふって立ち去ろうとしてからふと思いとどまる。
睨むように墓をみてから、サクラはポーチをさぐった。

出したのは、カラフルな包装紙に包まれたキャンディー2つ。
それをそれぞれの墓のまえに置いてから、サクラはそっと微笑んだ。


「遊園地は、3人で行きましょうか。」

きっと楽しいから。
夢であふれた希望の遊び場。
たまにはいいじゃない。

未練・恐怖・孤独・絶望・責務
つらいことや苦しいことは全部忘れて。
忍びだということさえも忘れて。


「新しい約束は守ってよね。そうすれば、前の約束は大目に見てあげるわよ。」


何もかもを忘れて遊ぶのも。
たまにはいいじゃない。



「仲間はずれはなしだから、ザブザさんも来なくちゃダメよ。」
いたずらっ子のように笑うと、サクラはそっと唇に指をあてた。


「遊園地で、待ってるから。」


キャンディーが2つ。
風にゆれていた。





見てわかるとおり・・・本当は白サクだったはずのお話です。
ところがお墓にいるとなると、ザブザさん仲間はずれはあかんでしょという事になりました。
とってつけたような違和感が・・・。書きなおしたいです。いつか・・・。


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