☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 勘違い ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「カカシ先生!」 サクラは任務が終わると同時にカカシに飛びついた。 おれは思わずむっとしながらそれを見る。 一週間ほど前からサクラの様子はおかしかった。 何やら目の下にうっすらと隈をつくり、げんなりとしていた。 悩みでもあるのかと思ってあまり気にはしていなかったが・・・。 本格的には、つい昨日から変になった。 というのも、サクラの顔が明るくなっていたのだ。 疲れている様子も半減している。 それだけならともかく、なぜか突然カカシと仲良くなり始めた。 時々サクラが背伸びをし、カカシの耳元で何か呟く。それから2人で笑ったりするのだ。 その時点ですでに相当気に入らない。 なのにさらにカカシがにやにやしてるのもイライラする。 そして極めつけがサクラのこの行動だ。 今日の朝もそわそわしていて、カカシに妙に張り付いている。 さすがに任務が始まると落ちついたが、終わったとたんにこうだ。 いつもならおれの方に真っ先にくるサクラがカカシのところに行くのが、気に入らなかった。 そんな勝手な想いが、みるみる大きくなる。 「ねえ、カカシ先生!」 「はいはい、わかってるよ。」 何を話しているのかおれにはまったくわからない。 カカシはサクラの頭に手を置きながらうーんと唸る。 「でも、今日はもう夜遅いからなぁ・・・。」 「えー・・・それじゃあ間に合わないわよ。」 サクラは残念そうに声をあげる。カカシは少し考えてから閃いたような顔をし、微笑んだ。 「それじゃあ、今からおれの家に来る?」 「だめだ!!!」 とっさにでかい声が出てしまった。 サクラもカカシも驚いたようにこちらを振り向いた。 「さ、サスケくん・・・?」 「帰るぞ、サクラ。」 「え、ちょ、サスケくん!?」 おれはそれだけいうとサクラの手を引いてずかずかと歩く。 かなりサクラは困惑しているらしいが、おれの手をはらおうとはしなかった。 カカシはというと、唖然としてそれを見送っていた。 「いったい何なんだ・・・?」 サクラの頭にのせたときのままの形になっている手を動かして、顎をかく。 それからはっと何かを思いつくと、くくくと笑い出した。 「どうしたもんかねえ・・・。」 くるりと背を向けて自分の家へと歩き出す。 「嫉妬、かぁ。若いねえ、くく・・・。」 「サスケくん!?どうしたの、急に!」 心配そうなサクラの声に、サスケはやっと歩みを止めた。 そして、じっとサクラの目をみる。 「あ・・・の?」 サクラは黒い瞳に見つめられ、おもわずたじたじとしてしまった。 しかし、サスケは目をそらさない。 「カカシと、何の話をしていた?」 「え?」 意外な言葉にサクラは少し冷静になってサスケを見つめ返す。 その顔には怒りがでていた。 「何を話してたんだ?」 サスケがそれをきくと、サクラはとたんに口をにごらせる。 「な、何って・・・別に・・・。」 いつもとは違うサスケの口調に、サクラはそっと顔を上げる。 そこには怒りの他に、あきらかな不安がただよっていた。 「おれには言えない事なのか?」 「そ、そんなんじゃないわよ!」 慌てて否定すると、再びサスケの顔が険しくなる。 「じゃあ、一体なんなんだ!!」 サクラはやっと、サスケが何か誤解をしているのだと直感した。 ちらりとサスケを盗み見る。 が、目線はきっちりとあってしまった。 サクラははあっとため息をついた。 「本当は言いたくないんだけど・・・。」 サスケの眉が動いたが、何も言わずにサクラの話を聞く。 サクラはもう一度ため息をついてからサスケに向き直った。 「あのね、マフラーを作ってるの。」 「・・・・・・・・・・・・は?何?」 「マフラー。」 サスケが思わず聞き返すと、サクラはゆっくりと発音をする。 「もうすぐクリスマスでしょ?だから・・・。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そういえば。」 クリスマスすらわすれていたサスケに、サクラは思わず笑ってしまう。 サクラの話はこうだ。 ヒナタといのと遊んでいたとき、クリスマスにマフラーをつくろうという話になったというのだ。 そう思いついたことからすべては始まった。 もちろんあげる相手は自分の愛する人に。 いのはシカマルに。ヒナタはナルトに。そしてサクラはサスケにと。 マフラーを渡すのと同時に告白する。 意気込みは『当たって砕けろ!』『ダメでもともと』というやつだ。 簡単なイベント感覚だった彼女達だが、しだいに本気になってきた。 それこそマフラーを受け取ってもらえなかったら死ぬ!!くらいの勢いで。 そして月日はどんどん過ぎ、気がつくとクリスマスまで一週間をきっていた。 何度も編んでは気に入らずに作り直していたサクラにこれはきいた。 とにかく焦っているが、どうにもできない。 そこでサクラは、ある噂を耳にした。 『カカシ上忍は、あれで編物やら料理やらが得意らしい。』 うっそー!? などと言っている場合ではない。サクラは大慌てでカカシに頼み込んだわけだ。 『マフラーを上手に編むの、手伝って!』 意外にもカカシは快く引き受けてくれた。 「・・・へえ。」 「あーあ・・・クリスマスまで内緒にしたかったのに。」 残念そうなサクラを横目で見ると、サスケは白い息をふうっと吐き出した。 「何はともあれ・・・よかった・・・。」 「え?」 「いや、なんでもない・・・。」 それだけ言うと、サスケは横を向いてしまった。 なんとなく気まずい雰囲気。 サクラは不安そうに下を見る。 もしかして、嫌われちゃったかな・・・。 「・・・・・・なよ。」 サクラの目から涙があふれそうなとき、再びサスケが何かを言った。 はっとして顔を上げる。 サスケの顔はおもしろいほど真っ赤だった。 「心配、かけるなよ。」 サクラがぼーっとしていたが、やがて自分も真っ赤になって大きく頷いた。 「うん!!」
はい。お疲れ様です。 雪様よりキリリクしていただいた『勘違い』!! 題名まんまやーん!!他に思いつきませんの・・・(TT) しっかし駄文でしかも遅くなって・・・申し訳ないです・・・(><) あまりに申し訳ないので・・・もう一つ、駄文を捧げます。 雪様はサスサクの他にカカサクもお好きだとか、メールでお話しましたので・・・。 これをどうぞ
カカ→サクで、カカシ一人称。っていうか語り? 一応『勘違い』の続編っていうか、番外編?みたいになっております。 もちろん申し訳ないという点もありますが・・・ 何より私がかきたかったのです!!(どーん) どうしても『勘違い』だけでは納得いかなかったので・・・。 2つの駄文・・・雪様に捧げます(^^) キリリク、ありがとうございました。