☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 幻想天華 8 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
話を聞き終えたおれは、静かに頷いた。 「なるほどな。」 「・・・勝手なことをしているとはわかってます。でも私・・・。」 だんだんと声が震えてきて、最後にはまたすすり泣きをはじめてしまった。 「サクラ。」 あやすように頭をなでてやると、サクラは少し大人しくなって泣くのを堪えた。 「お前がよく考えて術をつくったのはわかる。高度な術だからな。サクラの頭脳でも、そうとう苦戦しただろう。」 サクラは黙って聞いている。 どうやら、おれの言わんとしていることがわかっているようだ。 「だがな。ひどいことをいうようだけど、これは無意味だよ。」 ここでサクラは初めて顔をあげた。 「どうして?」 まだ涙にぬれる目を見ると、一瞬言葉に詰まってしまった。 だが、言うべきことはいわなければいけない。 それは、サクラのためでもあるから。 「この世界では、数え切れないほど多くの人が死ぬ。」 「・・・・。」 「それくらいはサクラもわかっているはずだ。救おうとしたら、それこそきりがないんだよ。」 「・・・・でも!」 「サクラはこの術を使うのに、どれくらいチャクラを消耗してる?」 「・・・・。」 サクラは困ったような顔をして黙り込んでしまう。 「これはすごい幻術だ。だけど、規模が大きい。サクラの体じゃ大変なはずだ。」 「先生・・・。」 「それくらいわかるんだよ。」 おれはもう一度、サクラの頭に手をおいた。 「最近、なんだか疲れてるみたいだったろ。それも、この術をつかったからなんだな?」 「・・・はい。」 「やっぱり。」 おれはため息をつく。 サクラはおそるおそるといったようにおれの顔を覗く。 「先生。それじゃ、私はこの術をもう使っちゃいけないの?」 一瞬、呼吸がとまった。 使ってはいけない、という訳ではない。 禁止されるような術でもないのだ。 だが、やはり負担はかかる。 サクラのことを考えるなら、やはり『だめだ。』というべきなのだろうが・・・。 こんな怯えたような目で尋ねられて、望まない答えを言い渡せるはずがなかった。 おれはただ一言。 「好きにしなさい。」 と、やさしい口調でいう事しかできなかったのだ。
ふう・・・。どうにか8まできました。 というかこれ、続きすぎ・・・!!あ、短いからか! 普通の長さにしておけば、きっと今4とかそれくらいですよ。多分。 絶対に10は超えます。うわー、(自分のサイトでは)新記録ですね。