☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 宴会デラックス!!〜上・中忍達の宴〜 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
今日は上・中忍の親善を深めるための飲み会の日。 集合は夜7時。名だたる有名な上・中忍達が集合場所に集まり始めた。 ただいまの時刻は8時30分。 「やー、遅れてすまん。」 かなり酒くさい飲み会の場に、のんびりとしたカカシの声が響く。 1時間30分の遅刻だが、みんな特に気にする様子はない。慣れているようだ。 「おうカカシ、遅いじゃねーかよぉ。」 さっそく近くにいたアスマが、焼酎をもってカカシに近寄る。 「悪いな。ちょっと手がはなせなくて・・・。」 「けっ、嘘いうんじゃねえ。大方昼寝でもしてたんだろうが。」 全員がどっと笑い転げる。相当酔っているのだ。 アスマ自身も大笑いをする。カカシは困ったように「ははは」とだけ笑った。 「なんだよ。浮かない顔してるな。」 うぃ、とアスマがカカシの顔を覗き込む。 「いやー・・・ははは。」 「まあいい。飲めばすぐ忘れらぁ。ほらほら座れ。」 「それがその・・・。」 カカシにしては珍しく、なんとなく言いにくそうに突っ立っている。 不思議に思ったアスマの目に、カカシの後ろで淡桃色の髪が隠れているのが飛び込んだ。 「あ!!お前はカカシんとこの!」 思わず指を指す。 するとひょこりと少女が顔を出した。 「あ、見つかった・・・。」 カカシはバツが悪そうに頭をかく。 少女はアスマの顔をじっと凝視してから微笑んだ。 「!」 少女の笑顔を見て、アスマは思わず飛びのきそうになる。 かわいい・・・なんて、こんな子供に・・・まさかな。 「ほらサクラ。挨拶して。」 カカシは保護者のようにサクラを自分の前に出して呟く。 サクラはにこにことしながら行儀良くお辞儀をした。 「こんばんは。」 「こ、こんばんは・・・。」 その愛らしい姿にやはりアスマは動揺をかくせない。 おれって・・・ロリコンだったのか!?そんな馬鹿な! 否定しつつもアスマの頭の中は、ウエディングドレスを来たサクラで埋め尽くされている。 もちろんその横にいるのはタキシード姿の自分だ。 サクラは頬を赤らめながら自分の腕に手を回す。 おめでとう2人とも! よっご両人!お似合いだな! アスマてめー、そんなかわいい嫁さんよく見つけたな! 「なーんて・・・。」 はっと横を見ると、ウエディング姿のサクラはもちろん、カカシすらいなくなっていた。 「あら!サクラちゃんじゃない!」 「あ、こんばんは。紅先生。」 次にサクラに気がついたのはお色気ムンムン上忍、紅だ。 「どうしたの?」 「実は・・・両親が仕事から帰ってなくて。」 微笑みながらしゃがんで話し掛ける紅に、サクラはどこか申し訳なさそうに話す。 「さっきまでカカシ先生の家にいたんですけど、宴会があるっていうから・・・。」 「ははーん。」 紅はちらりとこそこそこちらの様子を窺っているカカシを横目で見る。 カカシはサクラに心底惚れている。 サクラを1人にするのは心配だったのだろう。 「あの・・・すいません。迷惑ですよね、やっぱり・・・。」 しゅんとするサクラを見ると、紅はたまらずに思いっきり抱きしめた。 「きゃあ!?」 「もー、サクラちゃんったら本当にかわいーんだからー!」 笑いながらいうものの、あながちただの冗談ではない。 同じ下忍であるヒナタやいのを見ても、こんな気持ちにはならない。 サクラは紅にとって、ただの部下とは思えなかった。 「こら、勝手にさわるな!」 紅が頬擦りをしていると、見てられないというようにカカシが出てきた。 そしてサクラをぐっと自分の方へ引くと、守るようにサクラを抱きしめる。 「きゃああ、なにすんのよ、先生!」 暴れるサクラに気にせづ、紅は立ち上がってカカシとにらみ合う。 「カカシ、あんたのその変態ぶり。いい加減に上忍達の恥なのよね。」 「だったら紅こそ、サクラの顔がプリントされてるマグカップ、使うの止めたらどうだ。」 視線がぶつかりあってバチバチと音を立てる。 サクラはそっと、カカシの腕から逃れてそこからにげた。 「なんなのよ・・・怖かった・・・。」 知らない上・中忍たちを尻目にサクラは歩く。 帰ろうかな、と思ったところで誰かに肩を叩かれた。 「よう。春野。」 「あ、ゲンマさん!」 「ゴホ・・・カカシさんに連れてこられたんですか?」 「ハヤテさんも!お久しぶりです。」 すすめられるまま2人の横に座ると、出されたオレンジジュースを一口のむ。 「おいしい!」 「はは。春野は中忍試験から全然かわってないなあ。」 ゲンマがふざけていうと、サクラは頬をむくらませた。 「それって子供だってことですか?」 「イヤ、別にそういうわけじゃ・・・。」 笑いながら否定するゲンマに、サクラはさらにむっとする。 ハヤテはそんなサクラをみて、めずらしく微笑んでいる。 「2人はあっちに行かないんですか?」 サクラが視線を横に移す。 あっちとは、妙に盛り上がっている所のことだ。 ここは部屋のすみで、どこかのりきれていない雰囲気が漂っていた。 「ああ、私達2人はいつもここにいるんですよ。」 言いながらハヤテも視線を野球拳をして盛り上がっている方へずらす。 「おれたちはあんまり馬鹿騒ぎは好きじゃないからな。」 ゲンマもいいながら眉をひそめた。 「へえ・・・本当は負けて脱ぐのがこわいだけだったりして。」 「あのな。別にそういうわけじゃ・・・。」 サクラの言葉に2人は視線を戻す。 そして思わず目をむいた。 「絶対にそうですよ。男のくせに〜。」 けらけら笑いながらサクラはハヤテを小突く。 それでも2人は言葉を失ったかのように硬直している。 サクラの顔は真っ赤だった。 「まさか・・・。」 おそるおそるハヤテがサクラの手に持っているグラスを見つめる。 「これ、サワーじゃないか?」 サワーでも、アルコールはほんの少ししかはいっていない。 だが、サクラは酔いやすかった。 「ウフフ・・・気持ちいーい。」 「おい。」 そこへ、心臓をぎゅっと握られるような鋭い殺気が後ろから漂ってきた。 「サクラに何をした。」 ゲンマのこめかみに冷や汗が流れる。 ゆっくりと振り向くと、そこには案の定カカシが仁王立ちで立っていた。 「・・・か、カカシさん・・・。お、俺達別に何もしてないぜ。なあ?」 「は、はい。まさかお酒なんてそんな・・・。」 「ばかっ!」 「あ・・・。」 思わず口をすべらせたハヤテの頭を、ゲンマは思いっきりたたいてやる。 しかし時すでに遅し。 カカシの口元がぴくりと大きくひきつった。 「ほお・・・サクラに酒を?」 「そそそ、そんな滅相もない!」 「そうですよ、ねえサクラさん!・・・あれ?」 ハヤテは慌ててサクラに同意をもとめるが、すでにいなくなっていた。 「アンコ、さーん!!」 「ぶっ!!?」 イビキと酒を飲んでいるアンコに、後ろから誰かが誰かが抱きついてきた。 アンコはあまりの衝撃に、口に含んでいた甘酒をイビキの顔面にふき出してしまった。 「・・・ごほごほ・・、何すんのよ!!って・・・あ。」 「春野サクラ・・・。」 勢い良く振り向いたアンコと、顔をハンカチで拭くイビキの目の前には、中忍試験で出会った少女が立っていた。 「ど、どうしたの?こんなところで。」 「うふふふふ〜。」 驚くアンコとイビキを気にせず、サクラは怪しく微笑んで2人の間に腰をおろす。 アンコは真っ赤になったサクラをのぞきこむようにして見る。 「・・・まさか、酔ってるの?」 「酔ってる?ええ。酔ってるかも。」 サクラはとろんとした目でアンコを見つめる。 その大人っぽい瞳に、思わずアンコの心臓は高鳴った。 しかし、イビキはそんなことには気がつかない。 「カカシに飲まされたんだろ?どうせ。」 イビキが探るようにいうと、サクラはにこりと微笑みをかえす。 「知りたい?」 「え。」 「ねえ、知りたいの?」 サクラは色っぽい声でそう呟くと、イビキの首に腕をまわした。 「なな・・・。」 慌てるイビキなど気にもとめずに、サクラはさらに体を密着させる。 「うふ。イビキさんったら赤くなっちゃって。かーわいー。」 「サクラ!!!」 振り向くと、そこには肩で荒い息をするカカシがいた。 「何やってるんだ!アンコとイビキにサービスなんかしなくていい!!」 「サービス?」 サクラは小首を小さくかしげると、今度はカカシの腰に腕を回す。 「サービスって、なあに?」 上目づかいでカカシに迫る。 カカシはどっかんと顔を沸騰させた。 「ささ、サクラ・・・。」 そしてさりげなく自分もサクラの腰に手をまわそうとする。 が・・・。 「ちょっと待ったあー!!!」 全員の目が大きな声のした方へ振り向く。 勢い良く襖がひらくと、そこには自分達の部下である下忍たちがいた。 その中の1人のナルトはキョロキョロとあたりを見回すと声を張り上げる。 「やっぱり!いたぞ、サクラちゃん!!」 「な、なんなんだ?一体・・・。」 カカシが困惑していると、下忍たちの中から心優しき中忍・イルカがでてきた。 確か今日は残業があるからこれないと言っていたが。 「こんなことだろうと思ったんですよ・・・。」 めずらしく青い炎をバックにしながら、静かな声でイルカはいう。 「こんなこと?」 カカシが尋ねると、イルカの顔にみるみる血管がうきだした。 「サクラに変なことしてるんじゃないっっ!!カカシ上忍っっ!!」 「!!?」 まるで火山が噴火したかのようなイルカの怒鳴り声に、カカシは驚きを隠せない。 「ちょっと待て。変なことって・・・。」 はっとしてみると、カカシに自分から抱きついていたはずのサクラは眠っている。 すなわち、カカシが眠っているサクラを抱きしめている格好になっていた。 「あ、いや・・・これは。」 さすような視線が下忍達からむけられる。 たじたじとしているカカシに、イルカはすうっと息を吸い込んだ。 「かかれーーーー!!」 「うおおおおおおおおおお!!」 イルカの声を合図に、下忍たちはいっせいにカカシへ向かう。 「はあ!?ちょっと待て・・・うぎゃああああああああ!!」 「大丈夫か?」 大暴れしているカカシと下忍達から少し離れた場所で、サスケはサクラの頬を軽くはたいた。 「ん・・・あれ?サスケくん?」 「起きたか、サクラ。」 サクラはいたた、と頭をおさえると、ぼんやりとあたりを見回す。 「?ねえ、何かあったの?」 「さあな・・・。」 サスケはあきれた目でカカシ達をみながら曖昧にこたえる。 すべてを引き起こしたサクラは不思議そうに 「ふーん」 とだけ頷いた。
小悪魔〜なサクラちゃんがかきたかったんです。 あと上・中忍からモテモテなサクラちゃん。 そして、上・中忍にモーションかけるサクラちゃん。 全部つめようとしたら、こんなことに・・・。