☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 彼女のお相手 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「それじゃあ、解散!」 長々としていた草むしりの任務がやっと終わった。 時刻は5時を過ぎている。 寒い季節であるので、すでに空は夕日が沈みそうになっていた。 「んーこんな時間じゃ危ないし、おれが家まで送ってってあげようか?」 カカシがそういった人物は班の中での唯一の女子、サクラだ。 サスケの眉はぴくりとあがり、ナルトはカカシを非難する。 「サクラちゃん、カカシ先生と一緒じゃ逆に危ないってばよ!」 「お前らと一緒にするな。おれはただ純粋に心配して・・・。」 「ふん。何が『純粋に心配』だ。笑わせるなよ、変態上忍。」 ぎゃーぎゃーと言い争っている3人に、サクラは言いにくそうに声をかける。 「あの、悪いんだけど・・・私これから行くところがあるから、送ってもらわなくて大丈夫よ?」 ピタリ、と3人の動きが止まった。 「修行付けてくれるっていう人がいるの。だからすぐ行かなくちゃ。」 サクラはそういって微笑むと、「じゃあね!」と行っていってしまった。 「ああ・・・。」 「それじゃあ・・・。」 「また明日・・・。」 力ない声がむなしく響く。 3人はさっきの事がうそだったかのように密集すると、コソコソと話だした。 「どう思う?」 カカシがそういうと、ナルトとサスケは顔を合わせる。 「どう考えても怪しいだろ。」 「修行付けるって、誰が・・・。」 さきほどのサクラの笑顔が脳裏によみがえる。 「なんかサクラちゃん、すごく嬉しそうだったし・・・。」 「もしかして・・・。」 ――――男? 「まっさかなー!」 カカシが妙に明るい声でいうと、ナルトとサスケも「あはははは」と笑った。 そして同時に立ち上がる。 その顔は実にキッとしていた。 「サクラを追うぞ!」 「「おう!!」」 かくして、いつも仲の悪い彼らが一致団結したときだった。 「いたぞ!」 カカシが小さな声で鋭くいうと、3人はさっと電柱の影に隠れる。 小さなサクラの後姿が見える。 方向からしてアカデミーに行くようだ。 「いったい誰に修行なんて・・・。」 「アカデミーにいて、サクラと親しい男・・・。」 頭には、人の優しそうな男性の顔が浮かび上がった。 ――――イルカ先生? 「まままま、まさか!!」 ナルトの引きつった声が響いた。 その声は思いのほか大きく、サスケとカカシは慌ててナルトの口を抑える。 「?」 サクラがくると振り向く。 が、うまく影に隠れている彼らには気づかずに再び前を向いて歩き出した。 「・・・・・・。」 その動作をしっかりと見送ると、3人はほーっと息を吐いた。 「ったく、このウスラトンカチが!」 「修行がたりないんだよ、お前は!」 サスケとカカシはいっきに攻め立てる。ナルトは申し訳なさそうに謝った。 「ご、ごめんってばよ。それより、おれ思い出したんだけど。確かイルカ先生、今出張中だってばよ。」 「何ぃ!?本当か!?」 「それじゃあ、イルカ先生はなしってことだな・・・。」 ちらりとサクラを見る。 嬉しそうな足取りで、今にもスキップしそうだった。 と、そのサクラの足がぴたりと止まった。 当然3人もぴたりと動きをやめる。 どうやら目的の場所についたようだ。しかも、そこにはすでに誰かがいる。 「ごめんなさい、待たせちゃいましたか?」 おそるおそる3人は首だけを自動販売機の影からだして相手の顔を見る。 そしてその人物が誰だかわかり、「あっ!!」と声を出しそうなほど驚いた。 「ううん。今来たところよ。それよりサクラ、疲れてない?」 そこにいたのは金髪の髪を2つにまとめている巨乳の女性・・・。 そう。伝説の三忍の1人、ツナデ姫だった。 ナルトは会っているし、カカシもサスケももちろん知っていた。 まさか、彼女だったとは・・・。 というか、 ――――女・・・だったのか。 実に意外な人物だったが、3人はいっきに安堵の息をついた。 男か!?といっていた自分達がばかみたい思える。 「疲れてないかい?」 「大丈夫です!」 そんな会話をしていると、ツナデはすぐに気配に気がつく。 一瞬首を引くのが遅かった下忍の少年2人の顔をみると、ツナデは苦笑をする。 確かサクラと同じ班の2人か・・・。 もう1人の気配はなかなかできる奴のようだし、おそらく担当の上忍だろうな。 そう思考すると、気づかないふりをしてサクラに向き直る。 「それじゃ、また『あそこ』でやりましょうね。」 意味深にそういうと、サクラの肩に手を回した。 一瞬サクラは不思議に感じたが、とくに何も思わずにツナデにされるがままでいる。 そして3人は、ツナデの企みにまんまとひっかかっていた。 ――――あそこ!? しかも手までまわして・・・まさか!!そんな馬鹿な!!! ツナデは3人にわからないように、ぷるぷると笑いをこらえる。 サクラはその様子をみると、首をかしげた。 「どうかしたんですか?ツナデさん。」 「いやいや、別に・・・。それより・・・」 しばらくそのままでいて、笑いが大体ひくと、サクラにウインクをしてみせた。 「随分といい仲間がいるじゃない、サクラ。」 一瞬驚いたような顔をしたが、サクラはゆっくりと微笑んでみせる。 「はい!自慢の仲間なんです!」
なんだか企画物の部屋にある『忍びの芽を咲かせましょう』の続編になってます。 ごごご、ごめんなさい! 続き物・・・というわけで。 ツナデさんがいってる『あそこ』とは屋上のことです(笑) 一番納得がいかないのは、ツナデさんの正体のことですね。 どうしてサスケくんもカカシ先生も知っているのに、頭のいいサクラが知らないのか。 多分、「三忍は知ってるけど、この人じゃないわよ、きっと。」 と思っているのでしょう。 それは、火影たる人物が自分の修行をつけてくれてるわけないと思っているからです。 ええ。そうです。(逃) そして、ツナサク・・・じゃないですね。またしても。 やっぱり『ツナ&サク』ですよ(TT) しかもサクラちゃん総受けになってしまいました(汗) まな様、キリリクありがとうございました。 こんなものでよろしければ、もらってください(^^;)